血統という言葉ですが、競走馬なんかでは良く使われる言葉ですよね。
クワカブにおける血統とは一体なんなのでしょうか。
血統=特定の形質について同じ表現型となる個体群
言い換えてしまえばこういう事ですね。
理解しにくいワードが多発しましたが、この先で説明していきますのでお付き合い頂ければ幸いです。
今回はクワカブにおける血統について感じる事、考えている事を書いてみようと思います。
Contents
血統とは何か
冒頭にも書きましたが、クワカブにおける血統とは「特定の形質について同じ表現型となる個体群」の事であると私は定義しています。
厳密に言えば違うとか色々考え方はあると思います。
血統とか言うとジョジョの奇妙な冒険ぽいですね(笑)。
でも正に、あのマンガでジョナサンから代々脈々と受け継がれている黄金の意志があるように親から子へ、子から子へと受け継がれていくのが血統なわけですね。
クワカブにおいても血統が重要視されている
競走馬の世界において血統というのは非常に重要視されており、有名な血統同士の馬を掛け合わせる事でより優秀な競走馬を産み出すという事が日夜行われています。
そんな血統ですが、クワカブブリードにおいてもけっこう重要視されています。
例えば大型血統、美形血統、などと書かれたヘラクレスがいたりしますね。
それ以外にも有名血統というのが複数存在していて、それらの血統名がついた個体に付加価値が付いています。
血統に求められるものとその種類
クワカブにおいて血統に求めらているもの、それは飼育者が理想とする姿形で羽化してくる確率が高い事です。
例えば、どうせブリードするのであれば大きく、美しい形の個体を羽化させたい!と思っている飼育者の人はたくさんいると思います。
そこで重要になるのが血統ですね。
人間でもそうですが、親の背が高いと子供も背が高かったりしますよね。
これとまったく同じ話で、大きく形の良い個体からは同じように大きく形の良い子が産まれる確率が高いわけです。
クワカブ界で特に注目されている血統をいくつかあげてみます。
①大型血統
まず外せないのは大きさです。大きいサイズの個体というのは大変魅力がありますので、遺伝的形質の中でも特に重要視されていると思います。
遺伝的形質についてはもう少し先で記載しております。
②美形・極太血統
次に形をあげました。形と言っても色々とあるのですが、有名なところではオオクワガタの顎の太さやヘラクレスの胸角の太さなどでしょうか。太いものが人気があります。
③色関連の血統
ちょっと変わりダネではありますが、色というのもあります。
例えばニジイロクワガタのピカール血統(ぴかぴかです)やレギウスオオツヤクワガタのレッドなどが有名です。
④その他の血統
他にも色々あると思いますが、目の遺伝的形質でホワイトアイというのもあったりします(目が白くなる)。
形質を決めるものは大きく2種類ある
ここでは一度、形質という言葉について定義をハッキリさせておきたいと思います。
形質:生物の性質や特徴
これが形質の定義となります。
単に形質と言うと、遺伝形質を指すことが多く、遺伝形質とは遺伝子によって子孫に遺伝される形質のことです。
遺伝形質:遺伝子によって子孫に受け継がれる形質
つまり形質を決める一つ目の要素が「遺伝子」です。
そして2つ目の要素が「環境要因」となります。
大きく育つ遺伝子を持っている個体でも、餌や温度、湿度が悪ければ大きくならないでしょう。
また逆にそんなに大きく育たない遺伝子を持っている個体でも餌、温度、湿度などの環境が整っていればそれなりの大きさに成長する事も期待できます。
表現型とは何か
もうひとつ重要な単語として「表現型」について書いておきます。
表現型:形質が実際に表現されたもの
少々分かり難いのですが、「大きさ」は形質であり「実際に大きい」のは表現型となります。
形質を決める要素は遺伝子によるところが大きい
何となく予想はつくかと思うのですが、形質を決めているのは、ほとんど遺伝子だと考えられます。
人間で例えれば「牛乳を飲んでも大きくならない人」がいれば「牛乳を飲まなくても大きい人」がいます。
もちろん例外もたくさんあるとは思いますが、やはり親が大きい人は本人も大きい確率が高いことは否定できないでしょう。
ここで重要なポイントです。
狙った表現型を持った個体を羽化させるには、環境要因も重要であるが、狙った表現型を持った種親を使う事がさらに重要である。
という事です。
狙っている表現型が「サイズが大きい」事であれば「サイズの大きい個体」つまり大型になる遺伝子を持った個体を種親に使うことが重要となります。
このような事情から、血統が重要視されているわけですね。
次回記事では、血統についてさらに踏み込んでいきたいと思います。