外国産クワガタの飼育って難しいんじゃないかな?
ニジイロクワガタを飼育してみたいけれど、上手に飼育できる?
ニジイロクワガタはその美しさからは想像できないくらい丈夫で、日本でも飼育し易いクワガタです。
飼育初心者の方やお子様にも、とてもおすすめです!!是非チャレンジしてみてください!
ニジイロクワガタは日本でもかなり有名なクワガタで、ペットショップはもちろんデパートなどで見ることもあります。
近年ではブリードが進み、カラーバリエーションが増えていますので、お気に入りの個体を飼育する楽しみもありますね。
意外とサイズも大きく、大型の♂は想像以上に迫力がありますよ!
流通が多く、飼育も癖がなく、そしてニジイロのボディが美しいです。
外国産クワガタは日本では飼育しにくい。これを裏切るのがニジイロクワガタ!
今回はニジイロクワガタの飼育方法や魅力を解説していきます!!
ニジイロクワガタの飼育を検討している方!是非最後まで読んでみてください!
本記事を読む事で、週末にニジイロクワガタをお迎えしてると思います!(笑)
・ニジイロクワガタの基本的な飼育方法
・ニジイロクワガタの繁殖に挑戦
ニジイロクワガタってどんなクワガタ?
ニジイロクワガタの基本情報
学名:phalacrognathus muelleri
産地:オーストラリア、ニューギニア
説明:世界一美しいクワガタとして有名なのが、このニジイロクワガタです。日本のヤマトタマムシに似た色味で、光沢感があり非常に綺麗な体色をしています。原産地はオーストラリア北東部やニューギニアで、標高700m以上の熱帯山地に生息しています。
日本に輸入された当初は大変高額な希少種でしたが、繁殖技術が進み、現在では国内での繁殖個体(CB個体)を誰でも入手する事ができるようになりました。
ニジイロクワガタは体色がとっても美しいクワガタで、繁殖が進んだ現在ではカラーバリエーションも多くなりました。
緑をベースとしたレギュラータイプから、赤系、青系、紫系などの個体が流通しています。
また、特に前頭部まで光沢を持った個体群は「ピカール血統」として認知されています。クオリティの高いピカール個体は希少性が高く高額で取引されています。
いかにも外国産のクワガタという雰囲気の本種ですが、驚くほど丈夫で日本の環境でもエアコンによる温度管理不要で飼育する事ができます。
国産のクワガタだけでなく、外国産のクワガタ飼育にも挑戦してみたい!
そんなアナタにぴったりな種かもしれません!
本記事における飼育種に関する説明については、下記の文献を参考に記載しております。
出典:世界のクワガタムシ大図鑑 (むし社)
リンク
ニジイロクワガタの基本的な飼育方法
まずは本種の基本的な飼育方法について解説していきます。
いくつかポイントはありますが、国産クワガタ(コクワガタ、ノコギリクワガタなど)の飼育と同じ飼育方法で管理できます。
日本の気候でも何とかなるという魅力
一番特筆すべき点は日本の気候でも飼育できてしまうという点です!
外国産クワガタ・カブトムシのほとんどの種は日本の気候には適応できないためエアコンによる温度管理が必要です。
ところがニジイロクワガタは別、本種は非常に丈夫で適応できる温度幅が広いという特徴を持っています。
もちろん夏場に庭の陽が当たるところに置いておけば死んでしまいますが、それは国産種も同じです。
国産種同様になるべく静かで温度変化の少ないところに置いてあげればエアコンでの管理までは不要というイメージですね。
・日本の気候でも特別な温度管理は不要!
・国産種と同じように飼育すればOK!
成虫の管理については以下のようなイメージでOK,特筆する点は特にありません。
ニジイロクワガタの基本的な飼育ポイント
マット:成虫管理用マット
エサ:昆虫ゼリー
温度:常温管理でOK(極端に温度が高い、低い場所はNG)
エサのゼリーにはこだわりを
成虫に与えるエサは昆虫ゼリーですが、このゼリーには是非こだわっていきましょう。
与えるゼリーによって産卵数が増えたり、寿命が伸びたりしますのでエサは非常に重要な要素です!
僕が常に使っており、おすすめなのがKBファームのプロゼリーというゼリーです。
このゼリーはクワカブブリーダーの人であれば使ってない人はいないのでは?というくらいの定番品。
ゼリーはプロゼリーを与えれば間違いありません。
僕の環境でも1年くらい生きる個体がけっこういますので、寿命は長い方です!
お子様の初めてのペットにもいいかもしれないですね!
ニジイロクワガタの繁殖に挑戦
せっかくニジイロクワガタの飼育を始めるのであれば、是非挑戦したいのが繁殖(ブリード)です。
ニジイロクワガタブリードはハードルが低く、初めて外国産クワガタの飼育に挑戦する方やお子様でもポイント抑えれば幼虫がたくさん取れますよ!
幼虫の飼育についても成虫同様にエアコンでの温度管理なしで飼育できますし、成虫になるまでの期間も1年掛かりません。
このあたりもニジイロクワガタのブリードのハードルを下げてくれている要素ですね。
具体的なブリードのポイントは次項で解説してきます、是非挑戦してみてください!
後食とペアリング
ブリードをするには成虫の♂と♀を揃えましょう。
ここでポイントなのが、成虫はいつでも交尾(ペアリング)ができるわけではない。ということです。
羽化してからペアリング可能になるまで成熟期間を置いてあげる必要があります。
ペアリングができるくらいに成熟したということを見極める指標がエサの食べ始め=後食 となります。
ニジイロクワガタ成虫が後食を開始したら、1ヶ月ほど待ってからペアリングに進みましょう!
・成虫がブリード可能かどうかは後食して1ヶ月程度経過してるかを指標に判断する。
ペアリング
成熟した成虫が揃ったらいよいよペアリングです。
と言っても、特に特別なことをする必要はなく♂と♀を一緒にケースに入れて1週間ほど飼育してあげればOKです。
このようなペアリング方法を同居ペアリングと言います。
ニジイロクワガタの♂は攻撃的ではないので、同居しても♀を殺してしまうことはほとんどありません。
どうしても心配という場合には♂の大顎を針金などで縛って同居させましょう。
・ニジイロクワガタのペアリングは1週間ほど同居させればOK
ニジイロクワガタの産卵セット
ペアリング期間が終了したら、一度♀を単独で数日間飼育しましょう。
この時にしっかりとエサを与えるのがポイント、産卵するための体力を付けてあげましょう!
・ペアリングを終えた♀にはエサをたっぷりと!
♀が産卵するための特別な飼育環境が「産卵セット」です。
ブリードの成否は「産卵セット」を上手に作れているかという点が非常に重要です。
「産卵セット」は飼育する種類によって微妙に異なってきますので、ニジイロクワガタにぴったりの「産卵セット」を用意していきましょう!
ニジイロクワガタの産卵セットのポイントを下記にまとめます。
ニジイロクワガタ産卵セット概要
コバエシャッターの中がおすすめ。
・産卵材
クヌギやコナラの朽木を準備
・微粒子の無添加発酵マット
・転倒防止材
・エサ
プロゼリーがおすすめ。
・温度は25度前後がいい(温度管理なしで冬季のブリードは難しい)
それぞれチェックしていきましょう。
ケース
産卵セットを構築するケースについては中サイズのケースがおすすめです。ニジイロクワガタは中型のクワガタですのであまりにも小さいケースで産卵セットを組むと産卵数が確保できない可能性があります。
コバエの発生を防ぎつつ、湿度も確保できるコバエシャッターの中サイズがベストです。
産卵材
ニジイロクワガタは産卵材(広葉樹が朽ちたもの)にも産卵しますので、材は入れて置いた方が良いです。
産卵材は特に特にこだわらなくても大丈夫ですので、適当な太さ硬さのものを入手しましょう。
雑虫の処理など、少しハードルが上がります。
1本あたり数百円ですので2本ほど入手しましょう。
マット
ニジイロクワガタはマットにもたくさん産んでくれますので、マットにはこだわりたいところ。
選ぶポイントは微粒子で無添加発酵という事です。
マット産卵タイプのクワガタでは以下のマットのどれかを選択すれば基本的には間違いありません。
どれにするか悩んでしまう場合には、以下の記事も参考にしてみてください!
転倒防止材とエサ
転倒防止材について、僕は基本的に水苔を使っています。水苔はケース内の湿度を保つこともしてくれますし、小型のクワガタなどが掴まりやすいので重宝しています。
エサはプロゼリー一択、よほどの理由がない限りはプロゼリーでいきましょう。
温度
温度は25度くらいがいいです。
エアコンでの温度管理をしないのであれば、やはりブリード時期は夏ですね。
エアコンを使うのであれば冬場でもブリードできます。
寒いと生体の動きも鈍くなりますし、何より産卵行動をしませんので、やはり一定の温度は必要になります。
セットの組み方
一通りアイテムを用意したらセットを組んでいきましょう!!
ニジイロクワガタのセットは以下のイメージで組んであげます。
産卵材をマットで固めて詰めていく感じですね。
ポイントとなるマットの水分量は、マットを握ってお団子が作れるか作れないかくらいを目安に加水してあげましょう。
また、産卵材の加水は以下の方法で加水すると良いですので参考に。
適当なケースに水を薄く張り、乾燥した材を入れます。
数時間放置していると上部まで水を吸い上げてきた事がわかります。
上部までしっかり水が染み込んだ事を確認したら材を取り出し、陽の当たらないところで一晩放置しましょう。
これで産卵材の準備はOK、樹皮は剥いても剥かなくても結果にそれほど差は出ません。
セット後の管理と割り出し
産卵セットが完成したら♀を投入して、暗くて静かな場所に2ヶ月ほど放置しておきましょう。
1週間に1回、ケースを確認してエサの交換を忘れずに!
2ヶ月か3ヶ月くらいすると、ケースの壁面に幼虫が見えてきますので産卵セットを崩して幼虫や卵を回収します。
これを「割り出し」と言います。
割り出しはブリードの醍醐味と言える楽しい作業です!
たくさん幼虫や卵が出てくると、なんとも嬉しいものですので、ぜひこの感動を味わって欲しいです!
・ニジイロクワガタは産卵材にも産んでるので、材も全て崩して確認する。
幼虫飼育はマットでも菌糸でもOK
割り出した幼虫はマットか菌糸のどちらかをエサにして育てていきます。
ニジイロクワガタの幼虫は丈夫で、基本どんなエサでも良く食べてくれます。
ここでは実際に僕が使っているマットや菌糸を紹介させていただきます。
どちらを使っても飼育は可能ですので安心してください。
幼虫飼育におすすめのマット
マットで育てていく場合には栄養が添加されたマットを選びましょう、大きくて立派な成虫に育ってくれます。
おすすめのマットは以下のマットです。
他のマットについては以下の記事で纏めていますので参考にしてみてください。
マットを用意したら、握ってお団子になる程度加水してから飼育ボトルに固めに詰めていきましょう。
ニジイロクワガタの飼育ボトルは800ccのボトルで十分です。
マットを詰めたら、幼虫を1頭ずつ入れて管理していきましょう。
・マットは栄養が添加されたものを準備する
・幼虫は1頭ずつ800ccくらいのボトルで管理する
幼虫飼育におすすめの菌糸ボトル
菌糸ボトルはマットに比べて早く成虫が羽化してくる傾向にあります。
一方で、生きたキノコ菌糸を扱いますのでやや臭いが気になる可能性があります。
また、温度や湿度についても環境が合わないと菌糸がダメになってしまうという点にも注意しましょう。
初めてのクワガタ飼育であれば、おすすめはマットでの飼育です。
少し飼育経験のある方は菌糸ボトルでの飼育をしてみるのもおすすめです!
以下、僕が使っている菌糸ボトルを紹介します。
※菌糸ブロックを購入してボトルに詰める方法もありますが、少し難易度が高いためここではボトルに詰められたものを紹介しています。
大夢シリーズは品質が高く安定して供給されていますので大変オススメです。
迷ったり、良くわからないという場合にはこの製品を選択しておけばニジイロクワガタ幼虫飼育向けとしてはバッチリです。
幼虫の管理
幼虫の管理は基本的に成虫と同じ場所で放置しておけば大丈夫です。
エサの交換は羽化までに1回、多くて2回のイメージですね。交換するタイミングは以下となります。
ニジイロクワガタ幼虫エサ交換
・菌糸あるいはマットが劣化した場合(色が明らかにおかしくなります)
幼虫が蛹になるための部屋(蛹室と言います)を作り始めたらエサ交換はストップ、菌糸が劣化しようと投入から半年以上経過しようと関係なくそっとしておきましょう。
※僕の経験上、ニジイロクワガタは本当に上部で羽化不全や死亡などが少ないですのであまり神経質にならなくても大丈夫です。
羽化した成虫の管理
ボトルの中で成虫へと羽化した事を確認したら2週間くらいはそっとしておきましょう。
まだ体が柔らかい状態で取り出してしまうと、死んでしまう可能性があるためです。
少し時間を置いて、体が固まったらボトルから取り出し、成虫管理で紹介した方法で飼育してあげてください。
まとめ
今回はとっても飼育しやすい外国産クワガタ、ニジイロクワガタの飼育方法について解説させて頂きました。
ニジイロクワガタはとても飼育しやすいので、是非ブリードも含めて挑戦してみて欲しいです!
本記事に限らず、何か気になる事や疑問のある方は問い合わせよりご連絡ください!
最後までお読み頂きありがとうございました!