タランドゥスオオツヤクワガタはアフリカが産んだ黒いダイヤ!ツヤツヤでメタリックな質感が魅力的なクワガタです。
本記事では初めてタランドゥスオオツヤクワガタの飼育に挑戦する方、飼育を始めたけど行き詰まってる方向けに飼育方法のポイントを纏めています。
ペアリングから産卵、幼虫飼育におけるポイントまで解説していますので、是非最後まで読んでみてください。
※5分ほどで読めます。
■ タランドゥスオオツヤクワガタを産卵させるポイント
■ タランドゥスオオツヤクワガタの幼虫を羽化まで飼育するポイント
Contents
タランドゥスオオツヤクワガタについて
タランドゥスはアフリカに生息する一風変わったクワガタです。簡単ですが、概要をまとめます。
タランドゥスオオツヤクワガタの基本情報
学名:Mesotopus tarandus
産地:アフリカ大陸西部 コンゴ
体長:最大体長 91.4mm (2020_BE-KUWAレコード)
特徴:メタリックな質感、警戒すると身体をブルブルさせる唯一無二のクワガタ
タランドゥスの最大の特徴はそのツヤツヤですね!この黒光り、すごいですよね。最初に見た時は衝撃を受けました!
エナメルバッグかと思います(笑)。
タランドゥスには面白い特徴があって、威嚇バイブレーションするんですね。携帯電話みたいにブーブー鳴るので面白いです!
サイズもけっこう大きくなりますので、大型化を狙った飼育も楽しめます。
成虫飼育の基本
タランドゥスの成虫飼育では特段気をつけることはありません。飼育できる温度の幅も比較的広いので真夏と真冬だけ温度管理をしてあげれば十分に飼育できます。
タランドゥスの基本的な飼育方法
マット:普通の成虫管理用マット
エサ:ゼリー
温度:25度前後
僕の環境では適温は25度程度と判断しています。
本種はなかなか長寿で、個体差はありますが1年近く生きます。
餌をけっこう食べますので、餌切れに注意しながら温度管理をしてあげれば長くその姿を楽しむことが可能です。
♂は少し凶暴なところがありますので、ペアリングを狙ってる時以外の♂♀の同居は避けましょう。
後食とペアリング
後食
本種は寿命も長いので後食を開始したあともじっくり成熟させてからペアリングに移行すると良いです。
後食から2〜3ヶ月待って、ゼリーの食べっぷりを見て判断していきましょう。
ゼリーはKBファームのプロゼリーを使っておけば問題なしです。
※ほとんどのブリーダーが使ってる定番ゼリーというのがわかる最高のゼリーだと思います。
ペアリング
ペアリングについてはハンドペアリングでも可能という話を見聞きしますが、私の環境では同居ペアリングにしています。
同居ペアリングの良いところはペアリングが始まることを見て待ってる必要がない点ですね。
ずっと待ってるのは普通に疲れますので、同居ペアリングの方が放置できる点が良いです。
その代わりペアリングが上手くいってるかどうかを目視できない点がデメリットになります。
しっかり成熟していれば4~5日同居すれば大体ペアリングは上手くいくようです。
本種の♂はけっこう凶暴なところがありますので可能であれば同居ペアリングの際は♂の顎縛りをしましょう。
顎縛りには電源コードなどをまとめるための「ねじりっこ」と呼ばれるアイテムが最適です!
私は顎縛りには「ねじりっこ」のみ使用しております。
産卵セット
本種の産卵セットは主に2種類あり、どちらかを選択する形になります。
タランドゥスの産卵セット2択
- 植菌材を使う
- 金糸ボトルを使う
①植菌材を使う
まず一つ目がキノコ菌糸を材に植えつけた植菌材を使った方法です。普通のくち木材を加水して使うのではなく、生きた菌糸が植えられた材を使う方法ですね。
本種で使うのは植菌カワラ材もしくは植菌レイシ材になります。
セットの方法はいたってシンプルで、入手した材をケース内に転がしておくだけです。
この際材の加水も不要、かつ樹皮を剥く必要もありません(写真では少し剥いてます)。
適当な床材マットを敷いてその上に材を転がすだけというシンプルさですね。
下手に埋め込んだりすると逆に材内部へ空気が入りづらくなり酸欠を起こす可能性が高まるようですので注意が必要です。
以下の図のようなイメージでセットしていきましょう。
僕は植菌材のセットでは微創研のレイシ材やカワラ材を使うことが多いです。
品質が安定しており、使いやすいのでオススメです!!
植菌材を使った産卵セットの組み方については下記の記事でも詳しく触れていますので、参考にしてみてください。
②菌糸ボトルを使う
続いて菌糸ボトルを使う方法ですね。
こちらの方がさらに手軽で、買ってきたカワラ菌糸ボトルを転がしておくだけです。
菌糸ボトルを使った産卵セットについては下記の記事で詳しく書いていますので参考にしてみてください。
ポイントとしてはボトルを開けた後に、一部に穿孔しやすいように穴を開けておいてあげると良いです。
菌糸ボトル産卵ではボトル壁面から卵や幼虫を確認できる点が良いです。材産卵ではこれができませんので、割り出す時のリスクも少し高まると感じます。
材の方がよく産むという話もありますので、どちらを選択するかはブリーダーごとの趣向や環境に依存します。
ボトルはグリードSLボトルがおすすめですが、流通が不安定ですね。
流通も安定してい品質も高いとなると、やはり「大夢K」かなという感じです。
割り出し
続いて割り出しですが、注意点1つだけ、割り出しを早くしすぎないことです。
早々に割ってしまうと卵や初令幼虫の状態で割り出すことになってしまい、死亡リスクが高まります(我慢できないことも多々あるのですが・・・)。
おすすめはじっくり待ってからの割り出しです。
幼虫もある程度の大きさになっていますので、菌糸ボトルや菌糸プリカに移行した後の生存率がぐっと上がると思います。
おおよそですが、セットしてから1ヶ月〜2ヶ月程度で雌を次のセットに移し、その後さらに2ヶ月ほど待ってから割り出すと概ね幼虫が大きくなっていると思います。
幼虫の管理方法
無事に産卵してくれたら次は幼虫を飼育していきましょう。
タランドゥスの幼虫飼育はポイントを知れば難易度は低いので安心してください。タランドゥスの幼虫は羽化するまでに大体10ヶ月ほどですので、羽化までの期間も短く飼育し易い種類です。
飼育で気を付けるポイントは2つだけ。
エサと温度 です。
エサはカワラ菌糸のみ
まずはエサです。タランドゥスの幼虫飼育はとにかくエサの選択だけは間違えないようにしましょう。
タランドゥスが食べるエサは「カワラ菌糸」です。
僕は「大夢K」菌糸を使うことが多いです、この製品は流通も安定しており品質も高くオススメできます!もちろん産卵ボトルとしても使えます。
エサ選びを間違えなければタランドゥスの幼虫飼育は難しくありません。
温度は25度を基準に
タランドゥスの幼虫飼育では温度は25度を基準に管理していきましょう。エアコンなどを使って管理できる人はエアコンで25度設定にしてしまえばOKです。
エアコンが使えない場合には、夏場は最高でも28度ほどに、冬場は18度は切らないようにカイロや小型ヒーターなどを使ってなんとか温度管理をしていきましょう。耐えられないほどの温度になる幼虫は死んでしまいますので注意が必要です。
菌糸ボトルは7割食べたら交換
菌糸ボトルを幼虫が食べ進めると、白い部分が減ってきます。
大体白い菌糸部分が3割程度になったら次のボトルに移してあげましょう。
まとめ
最後に本記事の内容を箇条書きで纏めておきます。
■ 産卵には菌糸ボトル産卵セット、あるいは植菌材を使った産卵セットを用意する
■ 幼虫飼育ではカワラ菌糸を与えること
今回は以上となります。
最後までお読み頂きありがとうございました。