初めての飼育でも上手にブリードできる?
■ ブリード(繁殖)に向けた成虫の飼育方法
■ 産卵セットの組み方
ババオウゴンオニクワガタは常に人気が高く、一度は飼育・ブリードに挑戦してみたくなる魅力的な種です。
ポイントをおさえて飼育に挑戦すれば初心者の方にも決して難しい種ではないので安心してください。
これからババオウゴンオニクワガタの飼育にチャレンジしたい方や、飼育で不安な事がある方は是非最後まで読んでみてください。
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Contents
ババオウゴンオニクワガタについて
まずは本種についての基本的なデータをおさらいしてみようと思います。
和名:ババオウゴンオニクワガタ
主な産地:ミャンマー
最大体長:83.4mm(むし社レコード2018年公表)
主にミャンマーに分布している黄金色のクワガタです。
オウゴンオニクワガタは複数の亜種がいますが、その中でも最大サイズになるのがこちらのババオウゴンオニクワガタになります。
黄金色のツヤも一番輝きがあるタイプで、ツヤありゴールドな派手な種です。
近年は野外品の流通も無く、国内ではCB個体が出回っています。
価格についてはけっこう変動があり、安く買える時と高額になっている時期があります。
予算の都合に合わせてタイミングのいい出会いがあった時に入手するのが良いかと思います。
成虫飼育の基本
本種の成虫飼育については特段難しい事はなく、温度さえ気にしていれば餌も普通の昆虫ゼリーで問題なしです。
温度は22度~25度程度が適正範囲と考えられています。
我が家でも大体この範囲で飼育をしています。
20度を切ったり、28度を超えるようだと少し適正温度からは外れてきます。
※適正ではないと言うだけであり、すぐに落ちてしまうような事はありません。
後食について
続いて、ブリードをする上で重要となる「後食」と「ペアリング」について解説していきます。
羽化して間もない個体はブリードには適しておらず、一定の成熟期間が必要となります。
成熟しているかどうかを判断する上で重要となるのが「後食」となります。
後食とは、羽化した個体がエサを食べ始める事を意味しており、後食してから一定期間経過すると性成熟していると判断する事が多いです。
本種の寿命は決して短くはありませんので、羽化時期が多少ずれたペアでもタイミングを合わせることができます。
後食を先に開始した個体には餌を与え続けて管理し、もう一方の個体の後食を待てば大丈夫です。
本種は、後食からおおよそ2ヶ月くらい待つと性成熟するイメージですが、
ここは期間というよりもエサをどんな雰囲気で食べているかを判断基準にした方が良いです。
「ケース内を元気に歩き回っていてゼリーも良く交換している」という感じであればブリード可能な状態だと判断して良いかと思います。
このあたりの判断力については経験を積む事で養われてくるはずです。
ペアリングについて
後食してからエサの食いも上がってたらいよいよペアリングです。
本種は同居ペアリングでもハンドペアリングでもどちらでも問題なくペアリング可能です。
ハンドペアリング
♀の上に♂をそっと近づけてあげる方法です。
♂がすぐに反応してその場でペアリングしてくれることがありますので、まずはこのハンドペアリングを試してみると良いです。
ペアリングの成否を目視で確認できるため確実です。
同居ペアリング
同居ペアリングの場合は♂の顎縛り(大顎を紐や結束バンドで縛り、♀殺しを予防します)をして4~5日一緒にしておきます。
本種は♀殺しの心配は少ないと言われていますが、縛れるのであれば顎は縛りましょう。
♀殺しが起きると本当にショックですので、万全の体制で同居に臨む事をおすすめします。
同居ペアリングの場合は♂が♀をメイトガード(♀の上に♂がおおい被さります)している様子が見られたら、恐らくペアリングが上手くいっています。
ペアリング時の温度は24度くらいと、気持ち高くしてあげた方が個体の動きが活発になって良いと思います。
ペアリングの時間について
本種のペアリング時間は大変短いです。
ヘラクレスなどは1時間近くしている事がありますが、本種は2~3分で終わったりします。
不安になるかもしれませんが、本種はペアリング時間が短い種のようですので問題ありません。
私がブリードした個体も本当に短くて不安になりましたが、そのあと普通に産卵しましたので大丈夫です。
・まずはハンドペアリングに挑戦する
・同居ペアリングでは可能な限り♂の顎縛りを
・ペアリング時間は非常に短いが、気にしない
いよいよ産卵セット
ペアリングを終えましたら続いて産卵セットを組みましょう。
本種の産卵セットには2つの方法があります。
②菌糸ボトル産卵
どちらもカワラタケ菌糸をベースにした産卵セットになります。
本種の幼虫はカワラタケ菌糸で飼育していきますので、産卵の時からこのようなセットを基本とします。
①の植菌材を用いた産卵セットについては、ブリード成否が産卵材の品質に大きく左右されるため中・上級者向けです。
実際に材の品質を確認して目利きできる力が必要になります。
我が家でも実績はありますが、現在はあまり採用していない状況です。
我が家では②菌糸ボトル産卵の方法をベースにブリードをしています。
菌糸ボトル産卵セットの組方は下記に詳しく書いていますので参照されてください。
こちらの方法では菌糸ボトルの品質がある程度安定している事が最大のメリットです。
入手についても在庫している事が多く、必要な時に購入できる点も大変重要です。
本種の産卵セットにおすすめの菌糸ボトルとして、誰でも入手しやすい製品でおススメなのが大夢Kボトルです。
昆虫ショップなどでも在庫している事が多く、入手難易度が低いです。
我が家でも産卵セットに使用した実績がありますが、問題なく産卵してくれます。
ババオウゴンオニクワガタの産卵セットのポイント
続いて、ババオウゴンオニに絞った産卵セットのポイントを紹介します。
♀の穿孔はとにかく待つ
本種のメスはセットした菌糸ボトルを顎で削りながら穿孔していき、その先で卵を産みます。
最初の数週間菌糸ボトルに反応せずに穿孔しなかったとしても焦らずにじっくり待ってあげる事が大事です。
この際、ケース内の湿度が高くなっているようであればケースの蓋を少しあけて湿度をコントロールしてあげましょう。
また、穿孔してもすぐに出てきてしまったり餌ばかり食べていたりと心配になる場面があるかもしれないですが我慢してじっくり待ってあげましょう。
温度は少し高めに
本種を産卵セットに入れたら温度は24度~25度くらいにしてみると動きが活発になり、産卵行動に入ってくれる確率が上がる印象です。
我が家では26度くらいにしてた時期もあります。
セットを組んで1か月以上経過しても産まない場合は温度を少し上げてみる事でスイッチが入る可能性があります。
削りカスが出ていればまずは安心
ボトルから削りカスが山のように出てくるようであれば、恐らく産卵しています。
もしくはこれから産卵すると思います。
運が良いとボトルの壁面などに卵が確認できます。
卵が見えたら次のボトルへ
本種の♀は一つのボトルに30個も40個も卵を産むような種ではないため、ある程度産んだら次のセットに移行してあげる方が良いです。
セットしてから2か月くらい経過して削りカスが出てる、もしくは卵が見えていれば次のセットに移行していきます。
取り出したボトルはそのまま幼虫をそのボトルで育てますので大切に管理しましょう。
ゼリーのおすすめ
ブリードのためのゼリーは圧倒的にKBファームのプロゼリーがおススメです。
とにかくにエサ喰いが良いのが最大の特徴です。
このプロゼリーはゼリーの液だれも無く、固めに仕上げているのも良い点です。
ほとんどのブリーダーさんがプロゼリーを使用しているのでは?というくらいの定番中の定番です。
私も他のゼリーに浮気した時期もありましたが、あっという間にプロゼリーに戻りました。
割出
無事にボトル内に卵を産んでいれば1~2ヶ月で幼虫が孵化してきます。
孵化した幼虫をすぐには割り出さず、ある程度の大きさになるまで産卵セットのボトル内で飼育してあげましょう。
こうする事で死亡のリスクを減らせます。
幼虫がある程度の大きさになりましたらボトルを割り出して幼虫を取り出してあげましょう。
取り出した幼虫はすぐに次の菌糸ボトルで個別飼育となりますので、割り出す時には幼虫飼育用の菌糸ボトルを多めに準備します。
幼虫の数が予想より多く、菌糸ボトルが足りなくなるという事態を避けるためです。
割出方法については、「ボトル切断方法」をおススメします。
下記の記事で詳しく書いていますので参考になさってください。
まとめ
今回は【産卵編】ということでここまでを一つの纏めとさせて頂きます。
ババオウゴンオニクワガタは非常に魅力的な種で、国内種では絶対見る事のできない黄金色に特徴的な大顎と、面白い姿をしています。
温度管理さえできれば飼育難易度は高くないと思いますので是非飼育してみて欲しいです。
ババオウゴンオニクワガタの飼育方法については別コンテンツとして情報を整理しました!
ご興味のある方は記事下の「より詳しい飼育方法を知りたい方へ!」をご覧ください。